フランス料理の伝統を守りながら、「ここでしか得られないもの」を追求し続ける。
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Web magazine issue 01
hôtel de yoshino オテル・ド・ヨシノ 料理長 手島 純也さん

この仕事に就くきっかけは何ですか?
実家で親父が居酒屋を営んでいたのですが、学生の頃にその親父が倒れまして、本当はコンピュータ会社に就職が決まっていたのを取りやめて料理の道を選びました。それでフランス料理の世界に入ったのですが、勉強の為に行った銀座の有名フランス料理店で食べた仔羊とフォワグラのパイ包みがとても美味しくて、心底感動しました。そういう料理を自分も作れるようになりたいと本気で思ったのが、この世界で生きて行こうと決めた最初のきっかけですね。以来、日本とフランスでがむしゃらに修業しました。今と違い、徒弟制度が色濃く残っていた時代ですから厳しい扱いを受け辛い事もありましたが、料理を辞めようとは一度も思いませんでした。
インタビューイメージ
現在の仕事の内容を教えてください。
フランス料理店の料理長です。最近の流れで、フランス料理とはいえ軽く日本料理的な料理をするシェフが圧倒的に多いのですが、僕がこだわりを持って作っているのは古典的、伝統的なフランス料理です。師匠である吉野建から受け継いだ、その古典的フランス料理の技術・思想に、和歌山の素晴らしい食材を当てはめて打ち出していくのがこのお店のコンセプトだと思い至り、そういう料理を日夜考え、作っています。
将来の夢は何ですか?
フランス料理の伝統を守りつつ更に美味しさを追求し、お客様に提供していくことです。そして、このレストランを日本有数のレストランにすることです。他府県から「和歌山に来ていただく為には?」と考えた時に、和歌山の素晴らしい食材を使った料理は強力な武器になります。「和歌山産鮑のパイ包み」や「湯浅産特大岩牡蠣 柑橘風味のジュレ」などは、和歌山でしか食べられない典型的な料理だと思っています。有難いことに、東京、大阪、神戸、九州などからも来て下さるお客様が大勢います。そういった、遠方からわざわざ足を運んでくださる方々に「来て良かった」と満足していただくこと、さらに地元、和歌山のお客様にも愛されるレストランになることが大切だと考えています。ここでしか食べられない、ここでしか得られない時間を提供し続けることで、オンリーワンと言われるレストランを目指していきたいです。
ご自身で実践しているエコなことを教えてください!
料理は肉、魚、野菜と全ての食材の命をいただく訳ですから、食材のムダをなくし活用し還元できれば、それがエコロジーに繋がると思っています。一方で、消費者は常に「安さ」を求めます。食べ物を安くするには大量生産をしなければなりません。でもそれは色々な弊害を生みます。「安さ」だけではない価値の構築をしていくことも大切です。僕は料理人として、心ある生産者さん達と共に食材の付加価値を上げていきたい。多くの料理人がそう志すことで、生産者さんの生活がきちんと成り立っていく。大きな話かもしれませんが、食材を通して、食べ物に携わる方々や消費者の間にいいサイクルが生まれていくことの一助になれたらと思っています。
手島 純也

Junya Teshima 手島 純也

1975年 山梨県生まれ。地元レストランで修行。26歳で渡仏『ステラマリス』で吉野建に師事する。
2007年2月、パークホテル芝『タテルヨシノ』料理長就任。
同年9月、和歌山『オテル・ド・ヨシノ』料理長となる。

1975年 山梨県生まれ。地元レストランで修行。26歳で渡仏『ステラマリス』で吉野建に師事する。
2007年2月、パークホテル芝『タテルヨシノ』料理長就任。
同年9月、和歌山『オテル・ド・ヨシノ』料理長となる。

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